9 喉仏の手術について

SRS第一段階9日後 本テクストのカテゴリ「SRS記録」 については、「SRS記録について」を御一読ください。 喉仏を削るオペについて、少しメモしておきます。
 まず当然ですが、声を女性化する手術ではありません。あくまで見た目を改善するだけです。
 傷跡は、シワに沿う形で一直線に切るので半年後くらいにはほとんどわからなくなるとのこと。
 ただ削り方が微妙で、声が低くなるリスクもあるそうです。
 慎重に削っても「高音が出にくくなった」という患者さんが複数いたため、わたしが希望したときもきちんとインフォームされました。ただ、コーディネータさんによると「ハタから聞いている分にはわからない」とのこと。骨伝導で聞こえる音だけ変化するのか、微妙な違いで本人にしかわからないのか、あるいは単に気にし過ぎなのか、なんとも言えません。
 ただ、確かに声パスは非常に重要な要素だと思いますし、ことごとく「気にしぃ」なMtF同胞としては気持ちは理解できます(笑)。ちょっとの違いでもナーバスになりますよね。
 わたしも随分迷ったのですが、かなり喉仏が目立つタイプだったこともあり、思い切って受けてみました。
 現時点では、そもそも腫れた状態なので発声するだけでちょっと痛いです(この「現時点」は喉仏手術翌日です。一般的にはSRS第一段階と同時に行いますが、わたしの場合皮膚移植時に削ったためです)。声もかすれて低くなっています。ただこれは当然のことなので、結果としての声はまったく別問題でしょう。まずは抜糸まで待たなくてはわかりません。
 傷の上からテープが貼ってある状態で、長さは五センチくらい。退院時くらいに抜糸予定です。
 ちなみにコーディネータさんにはネタも兼ねて必殺「男声」をお聞かせしてみたのですが、笑って「そこまで戻るなんてあり得ない」と言われました。
 抜糸前の現段階でも、仮に低くなっていたとしても比較的短期間のボイトレで取り戻せそうな感触です。あくまでわたし個人のケースなので、一般化できるかどうかは保障できませんけれど。
追記(手術から11日経過時記述):
 痛みと言えるほどの痛みがあるのは手術後二三日ほどで、その後はツバを飲み込むなどの動作で皮膚が突っ張ったような感触がある程度になります。手術後五日で抜糸しました。
 声のトーンですが、現時点で「手術前と変わらない」との周囲の反応があります。主観的にはまだ少し低いかな?という気がしますが、客観的なデータがあるわけでもないので、気のせいなのか、骨伝導の関係なのか、判然としません。ただし、最高音(ファルセットも含めて出せる一番高い音)は確実に低くなっています。これは複数の患者さんから得た証言とも一致しますので、一般的な現象と思われます。つまり、普段の話し声はほとんど変わらないが、出せる最高音が低くなり、音域が狭くなる、ということです。
 この最高音を訓練によって取り戻すことは不可能ではないでしょうが、以前ボイトレした自分の感触から言って、簡単にはいかないと思います。そのため、広い音域を利用する必要のある方(歌を歌われる方など)は、慎重に治療を選択された方が良いでしょう(声楽の訓練を受けている方やボイトレの達人なら、もしかすると短期間で回復できるものなのかもしれませんが、わたしにはわかりません)。
 傷跡についてですが、現時点ではかなり目立ちます(位置的に顎を引き気味にしていれば見えない箇所ですが、日常生活で隠し切ることは難しいでしょう)。手術後二週間は抗生物質を塗り、その後はスカージェルなどを利用すると良い、との指示を受けました。傍目にわからない程度まで治癒するには、数ヶ月から半年程度はかかるものと思われます。
 なお、肝心の「削った効果」ですが、慎重に削った場合「まったく喉仏ゼロ」までは行きません。現時点でのわたしでも、喉仏がまったくない状態ではないです。元々隆起が少なく目立たないタイプの方にとっては、オペを受けるメリットは小さいでしょう。逆にわたしのように目立つタイプであれば、相当の改善が期待できますし、実際十分満足しています。他の要素がすべてパスしている状況で喉仏のみを根拠に「男性である」と判断できるレベルの隆起はなくなります。
追記(手術から約三週間後に記述):二週間経過してから意識して発声するようにしてみました。ボイトレというほどではなく、遊び半分に気軽にやっています。
やはり「普段話すトーンはほとんど変わらないが、最高音は低い」という状態です。ただ逆にいつものトーン自体については、以前より自然に出るようになった気もします。なんというか、以前ファルセットの最高音を出すときに使っていた筋肉(?)に力が入らなくなり、代わりに力を入れないでも通常声(F声)が出るようになった感じです。
声量的にはやや落ち、微妙にかすれ気味ですが、意思疎通に困るほどではありません。かすれについては、ただ単に療養中で人と話す機会が少ないからかもしれません。
わたしは普段でも朝起きて人と接触する前には軽く発声練習をする習慣があるのですが(そうしないと急にちゃんとした声が出ないことがある)、復職して会話する機会が増えれば自然と調子も良くなっていく可能性もあります。
一度櫻庭先生にでも相談し、データを取ってみると面白いかもしれませんね。
ちなみに傷跡は順調に治癒していっていますが、ちょっと顎を上げ気味にすればすぐわかる程度には目立ちます。まぁすれ違った程度で気にされる傷ではないですし、適当な言い訳を用意しておけば仕事のできないレベルではないです。
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