WHO憲章の健康定義改正案論議での日本の発言

 「完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病または病弱の存在しないことではない」という、WHOによる有名な健康の定義があります。
 1998年、これを”Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.”とする改正案が提出されたのですが、”spiritual”という微妙な言葉を巡って議論がかわされました。結局採択には至らなかったのですが、この経過になかなかウケる部分があるので取り上げてみます。

WHO憲章の健康定義改正案の経過より。
Van Etten(オランダ)「改正には反対です。spiritualという健康目標達成のために加盟国が行う施策と評価方法が明確でありません。」
Sanou Ira(ブルキナファソ)「私も反対です。加盟国は健康定義の実現に努力していますが、spiritualの追加は問題があると思います。」
Badran(エジプト)「私は賛成です。健康評価においてspiritualな要素と他の指標との相関性は明らかであり、定義への追加は当然です。」
Pico(アルゼンチン)「私も賛成です。spiritualは人間の尊厳と倫理性において非常に重要です。」
 みなさん、積極的に発言されています。是非はともかく、意見は明瞭でそれなりな理由も述べられています。
 中道的な見解もあります。
Lopez Benitez(ホンジュラス)「専門家委員会が十分検討した結果であれは、どちらでも問題はないでしょう。ただspiritualという内面的健康は特定宗教には依存せず、宗教との混同は好ましくありません。人は病気になって初めてspiritualな健康を求める気持ちを知ります。spiritualは健康定義にあるsocialが意味する社会的とは反対の内面的健康を意味し、またdynamicという言葉は健康と病気が一体のものであることを表現しています。」
 そしていよいよ、日本の出番です。
仲村英一(日本)「健康定義改正といった大問題にはもっと時間をかけて議論するべきです。」
 ……うわぁ、すごい日本っぽい発言です。
 「発言求められちゃったから何も言わないわけにもいかないし、だからといってあんまりハッキリしたことを言って後で面倒になるのもイヤだし、テキトーに何か言って誤魔化しとくか。終わったらどこ飲みに行くかなぁ」というオーラが滲み出ています。
 でもそんなテキトーでその場しのぎな日本が大好きです。
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