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歯槽骨吸収 抜いた歯を放置しちゃダメ

歯槽骨吸収 抜いた歯を放置しちゃダメ

 久しぶりにキャッチにかかってみました。
 今一つアカ抜けないお兄さんが炎天下でがんばっていたので、似たようなアコギな営業任務の多い身として、ちょっと同情してしまいました。コスメ関係でした。
 わたしの仕事の話になったので説明すると、「最近静岡から出てきたんだけど、地元で歯を抜いたままなんですよ」と口を見せてくれました。見事に第一小臼歯あたりがなくなっています。
 気が向いたのでお店まで行ってみたのですが、そこのお姉さんが見事にギャルで、そんなお仕事なのに美容皮膚の科学的知識がまるでありません。レーザー脱毛の作用機序やら、こっちが一方的に喋って帰ってきました。どっちがキャッチなのかわかりません。
 そしてなんとこのお姉さんも、歯を抜いたままの状態なのです。
「歯入れるのに10万かかるって言われたんですけど、どうなんですかぁ?」
 などと明るくおっしゃるので、最初はインプラントかと思って「安すぎますよ、怪しいからやめた方がいいですよ」と答えていたのですが、よくよく聞いてみるとブリッジと判明。しかもドクターは「この値段じゃないと無理」と言っているらしいのです。
 大ウソです。
 もちろん素材によっては自費になるので、かけようと思えばいくらでもお金はかけられますが、ブリッジはちゃんと保険が利きます。明白な自費誘導です。こんな歯科医院が平気で診療しているのですから、医療消費者は賢くならないといけません。
 何より唖然としたのが、仮にも美容関係の二人が抜歯したままの状態を放置しているということです。

 抜歯自体極力しない方が良いのですが、やむを得ず抜いてしまった場合、必ず早い段階で何らかの処置をしなければいけません。
 歯というのはガッチリ顎に固定されているようですが、あくまで生体の一部で、日に日に変化していくものです。歯列矯正が成り立つのも、歯が移動可能なものだからです。
 抜歯したまま放っておくと、空いた隙間に向かって歯が倒れてくるのです。歯並びが悪くなって虫歯や歯周病になりやすくなることもありますし、最悪噛み合わせが異常をおこし、全身に症状が出てしまうこともあり得ます。
 もっと恐ろしいのは、「歯槽骨吸収」です。歯槽骨というのは、歯茎の下にある骨のことで、歯が生えている顎の骨だと思ったら良いでしょう。
 骨というは固くて不動のものに見えますが、ちゃんと代謝が働いていて、大腿骨でも二年もあれば細胞が入れ代わっていると言います。骨そしょう症などに見る通り、骨も変わっていくものなのです。
 歯が抜けてしまったりすると、刺激のなくなった歯槽骨は、どんどん後退して溶けるように小さくなっていってしまいます。これが「歯槽骨吸収」です。抜けて一年も放置すると、とりかえしもつかないほど吸収されてしまっていることがあるそうです。
 骨がなければインプラントも入れられません。入れ歯も安定して置くことができません。歯も歯茎も、その下の骨あってのものなのです。
 歯が抜けてしまった場合(抜かざるを得なかった場合)、主な対処法は三つあります。
 一つは「ブリッジ」と呼ばれるもので、抜けた歯の両側の歯に被せものをして、その間にポンティックというダミ−の歯を字義どおり「橋渡し」するものです。保険も効きます。ですが、両側の健康な歯を大幅に削らなければならない、という欠点があります。また、歯槽骨の吸収自体は止められないので、将来的に両側の歯まで虫歯や歯周病に冒された場合、処置が難しくなる可能性があります。
 一つは「パーシャルデンチャー」、要するに部分入れ歯です。これは別に歯を削る必要はありませんが、噛み心地や審美的な問題が残ります。
 そしてもう一つが「インプラント」です(「歯牙移植」という方法もありますが、誰にでもできるわけではないのでとりあえず除外)。インプラントというのは文字どおり「内部に植立するもの」で、チタン製の人工歯根を顎の骨に植え付けてしまう、というすごい技術です。保険は効きませんが、条件さえ良ければ他のどの方法より優れていると言えます。トータルで1本30-50万程度です。
 ですがまず第一に、インプラントというのは歯科の中でもとりわけ総合的な知識と技術、経験の必要な分野です。特に歯周に関する深い知見が求められます。米国などではインプラントの専門医があたるのが当然になっているのですが、日本では短期講習を受けただけの先生が堂々と「インプラント」を標榜していることすらあるのが実状です。よくよく研究して医師を見極めないといけません。変なドクターにかかると取り返しのつかないことになりますし、実際医療訴訟なども多数起きています。
 そして第二に、インプラントがいかに素晴らしい技術だとしても、誰にでも適応できるわけではありません。インプラントはチタンが骨と固く結合する「オッセオインテグレーション」という現象を利用したものが主流になっているのですが、逆に言えば、植える歯槽骨が十分になければインプラントもできないのです。
 現在はGBR(guided bone regeneration誘導骨再生)といった技術も進歩しており、こういった補助手術を駆使することで、歯槽骨吸収の進んだ状態だとしてもインプラントが絶望的なわけではありません。ですが、ただでさえも時間と費用のかかるインプラントがより難しいものになることは、容易に想像がつくことでしょう。
 知れば知る程、なんとしても歯を抜かれるような事態を防がなければならないことがわかります。そのためには結局、キチンと歯を磨くことと、半年に一回くらいはクリーニングも兼ねて歯科医院で診療を受けておきましょう。
 「歯よりも歯肉、歯肉よりも骨」であります。
 なーんて素人に毛が生えたような身分で偉そうに書きましたが、半分以上自分に対して言っています。
 もうちょっと早く気をつけていればねぇ……。
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個人的お勧め。

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