審美的目的で歯を白くする治療が歯科医院で行われています。
歯を白くするには、歯磨きやクリーニング等の物理的な清掃を除くと、大きく二つの方法があります。一つは歯質を削る方法です。ラミネートベニアといって歯の表面を薄く削り化粧板を張り付けるようなもの、オールセラミッククラウンという歯質を大幅に削ってセラミックの冠を被せるものがあります。
確実に白く見せられ、腕の良い歯科医師にかかれば芸術的な審美性を獲得できることもありますが、いずれについても健康な歯をわざわざ削ってしまうものです。本当に綺麗になりたいのなら悪い方法ではありませんが、まったくの個人的意見としては、あまりお勧めしたくありません。
もう一つはホワイトニングで、薬品を使って歯を漂白する方法です。歯を削る必要はありませんが、漂白力には限界があります。ホワイトニングにも二通りあり、歯科医院で受けるオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニングは、歯の表面に薬剤を塗布し、レーザーなどを併用して数回程度の短期間で効果を出せるものが一般的です。「レーザーホワイトニング」などとされているものはこれに入ります(「歯科レーザー治療」で触れましたが、レーザーだけで魔法のように白くなるわけではありません)。上下で6万くらいが相場のようです。
ホームホワイトニングは、個人の歯並びに合ったトレイ(マウスピース)を作製し、患者さん自身が薬剤を入れたトレイを毎日数十分から数時間装着する方法です。 実は現在日本で厚生省の承認を得ている漂白剤は、オフィスホワイトニングで使われる「松風ハイライト」しかありません。歯科医院で使われるホワイトニング剤には歯科専門業者にしか購入できないものもありますが、いずれにせよアメリカなどから輸入したものです。
逆に言えば、トレイの製作という点を除くと、歯科医師の手を借りなくても近いことができるわけです。もちろん、入手可能な薬剤には限界があり、管理などは自己責任で慎重に行う必要があります。
ネット上では多くのホワイトニング製品を購入することができますが、使い方によって色々な種類があります。
1日2回20分ジェルを直接塗る方式。
1日2回30分、シール状のものを装着。
ジェルを歯に塗る方式。歯にシールを貼ったような状態になり、夜の間ずっと効果を発揮し続ける。
口紅状のスティックで塗るものです。
口紅状の歯を白くするマニキュア(漂白剤ではありません)。
マウスガードを作り、これにジェルを塗って2時間程度装着するもの。一般的な方式です。
マウスガードを自分の歯形に合わせ、ジェルを流し込み30分ブリーチング。1回30分、1日2回を目安に。
マウスガードに注入して、上下の歯にセットしそのまま20〜30分。
使い捨てのマウスピースが付属していて、わざわざお湯でマウスピースを柔らかくする必要がありません。
歯磨きをするときに、普通の歯磨き粉のように使うもの。一日に2〜3回、3〜5分間歯磨きをし、その後20分以上洗い流さないとより効果的、とのこと。
歯科医院で行っているものでも、必ずしも劇的に白くなるというわけではありません。確実に差は出るでしょうが、お手軽すぎるものはそれなりの効果と思ってお試しになる方が良いでしょう。やはりトレイを作るタイプがお勧めです。