Tokyo Fuku-blogさん「 検閲じいさん、図書館の本を塗りつぶしまくり」より。
レイモンド・バーバー(79)はニューヨークのクランドール公立図書館に足しげく通っていた。図書館の職員は彼の事を熱心な読書家だと思っていた。しかし実は彼は3年にわたって図書館の本373冊の本を塗りつぶし自主的に検閲を加えていたのである。
バーバーは第二次世界大戦で受勲までした退役軍人。彼は3年間こつこつと本の表紙の裏に「神がいらっしゃればそれで十分(God is Enough)」と書き、文中の汚い言葉を塗りつぶして宗教的なフレーズを書き加えていたのだ。利用者からの苦情で図書館の職員が通報した。図書館側はどの本が傷つけられたかはコメントしていない。被害は9,255ドル(約100万円)相当。
素晴らしいです。
「帝国主義的美容法」で領海侵犯してでも美学に生きる(というか心中する)ことをネタにしたばかりですが、バーバーじいさんも負けずに退役軍人の意地を見せて欲しいです。
この記事で思い出したのですが、以前図書館でヘーゲルの『歴史哲学講義』を借りてきたら、線がひきまくりだったことがありました。
それだけならよくあることなのですが、この本は随所で原文が斜線で抹消された上、まったく新しいテキストに書き換えられていたのです。
「公共の書籍になんということを」などと憤ったりは全然せず、世界で一冊の新型ヘーゲルを堪能したのは言うまでもありません。
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『精神の現象学』ヘーゲル 金子武蔵訳 岩波書店