思い出したのでメモします。
すっかり耳にしなくなった2STEPというコトバですが、わたしは結構好きです。別段この手のことに詳しいわけでは全然ないのですが。
「2STEPって何?」という方の為に型どおりの説明をしておくと、ガラージを基調にドラムンベースやらR&Bやらとぐちゃぐちゃになって出て来た、90年代末期くらいのロンドンの流行りです。簡単に言うと、4つ打ちじゃないハウスみたいな感じでございます。裏でリズムを取ってヴォーカルをかぶせるとR&Bみたいになってくる、という、なんとも曖昧なジャンルだったのです。
2STEPの良いところは、「古い体質の人間が最近っぽい感じの音にすんなり馴染めて時流に付いて行っている気分を味わえる」というところです。
「残酷すぎるHipHop苦手党」「無機質すぎるHouseに付いて行けない老人」「Tranceなんてガキの遊びに付き合えるか」にも関わらず、ポップより過ぎるものは退屈で、古き良きソウルやファンクもどうなんだ、というヒトなので、非常に都合が良いのです。
案外こういう軟弱なヒトは多いのではないのでしょうか。
なんとなくエレクトロに惹かれるていてJ-pop fuckだけど、詳しくなくて、漠然と踊れたり作業出来たりするものを求めていて、無機質すぎるのも「情」すぎるのも今一つ、という人々。ちゃんとした音楽ファンの方々からすると、実に中途半端な人種です。
そういう人に、非常に安心感を持って勧められるのが2STEPなのです。
今頃「入門」としては、
“real 2step”compiled by Shinichi Osawa
大沢伸一によるコンピ。ちゃんと手に入る模様。birdなんかも入ってます。
ハウス寄ならMJ COLEがお好み。
mj cole “sincere” “cut to the chase”
“sincere”の方がタイトで思考向け。ぼんやりしたいなら後者。レゲエっぽい曲は嫌いなのでいつも飛ばします。
R&B寄りなら、前にもちらっと書いたCraig Davidラヴ。
craig david “born to do it” “slicker than your average”
二枚のディスクで大分趣きが変わりました。聞きやすいのは1stの“born to do it”の方ですが、個人的には2ndの方がお勧め。stingがフューチャされていたりして、ちょっとジャジーな匂いもあり。ちゃんとキャッチーにR&Bなのですが、どこか色彩感が薄いというか、微妙に醒めた感じがイイです。ムチムチねぇちゃんが熱く吠えているR&Bとはちょっと違います。
ちなみにこの人、異様なまでに美形です。ハッキリ言って1stはジャケ買いでした。Photoshopで左右同型に作ったような顔だちです。