MovableType不調でアーカイブが断絶してしまったこともあり、新たなカテゴリを一つ立てます。
トップページにも注記していますが、現在、わたしは戸籍上の性別を周囲に明かさずに生活しています。親しい人には知っている人もいますが、職場等では一切伏せています。「ノンカムであること」については色々考えるところもあり、必ずしも万人にとってベストの方法だとは思っていません。ただ、今のわたし(と周囲)にとっては妥当な選択ではないのか、と考えてはいます。この辺りについては、「ノンカム完全潜伏における義務」「『認められないこと』の価値を認める」などを参照してみて下さい。
このカテゴリで触れたいのは、「潜伏」自体の問題ではありません。
「潜伏」の思想的位置づけや解釈とはまったく別問題として、「元男」の女として生きていると、色々と面白いものに出会う機会があります。その多くは、おそらくネイティヴの男性にも女性にも経験できないものでしょう。このカテゴリは、そうした単なる「面白ネタ」を散発的にご報告してみる、というだけのものです(笑)。
一つ留保しておけば、この生き方が本質的に面白おかしいもの、あるいは面白くするためにこういう暮らしをしている、などと考えられてはまったくの誤解です。以前、半カム状態で生活していた時、ネイティヴ女性に「男と女の両方を味わえるなんて、面白いじゃない?」と言われ、目眩がしそうなほどの怒りに捕われたことがありましたが、こうした見方は多くの当事者にとって不愉快極まりないものでしょう(この怒りになぜ?と思われる方がいたら、ほんの少しで結構ですから、落ち着いて思考実験してみてください)。
ただ一方で、一定の余裕を得てきた今となっては、稀な経験をしてきた、と振り返ることができるのも事実です。時には「不謹慎かもしれない」と思うほどおかしいこともあります。
ただ、こうした経験というのは、ノンカム生活をしていると周囲に話すこともできません。貴重な経験であるのは事実で、わたし一人や、親しい友人の間だけでとっておくのは少しもったいない気もします。しかも年月とともに感動や記憶も薄れ、わたし自身にもいずれ感じられなくなってしまう時が来るでしょう。
このカテゴリは、そうした経験を硬軟織り交ぜてメモする場としておきます。
というより、わたしの口がムズムズするので、一つくらいはけ口を作っておきたいだけなのですが(笑)。